天然はちみつの見分け方は、「とろっ」とした粘度のある質感だと言われています。また、天然はちみつは甘さがクドくはなく、後味がすっきりしているのが特徴で、味わいも濃く、鼻に抜ける際に花の香りもしっかり広がると言われています。

しかし、香り、味わい、濃度などにて見分けるのはなかなか至難の業です。見分け方については、産地、製造工程などになるでしょう。では、詳しく見ていきましょう。

天然はちみつの定義

天然はちみつの定義については、公正取引委員会の純粋はちみつの定義や、国際規格（CODEX）のはちみつ定義、一般社団法人日本養蜂協会などの情報を参考にしてみてください。

非加熱

見分け方のなかには「とろっ」とした質感を先にご紹介しました。人工的に手を加えていない天然はちみつ（純粋・生タイプも含む）は、糖分を加えずに、採蜜されたままのはちみつです。

しかし、なかには「加糖はちみつ」という甘さを加えたものもあります。それでも、日本国内で採蜜されている良質の天然はちみつは、採れたてを漉し、加熱処理せずに瓶詰めしているのが一般的です。

伝統的な製法を継承している養蜂場では非加熱のはちみつが多く、添加物を一切含んでいません。花の種類によって特徴もさまざまで、甘味の違いや色など味の違い、酸味の強弱などを十分に楽しめるでしょう。

見分け方のひとつは、のちに詳しく紹介しますが、非加熱製法にもあります。

誤解しやすい見分け方

天然はちみつかどうかは、「結晶化する・しない」という見分け方も良く耳にします。白く固まるのは、何か別の糖が入っているから…という誤解も生まれています。はちみつに含まれるブドウ糖が多いと結晶化しやすいだけです。

では、結晶化しないのは水あめなど添加物を含んでいるから…という疑問も生まれるでしょう。これは、果糖にもよりますし、採蜜される花の種類によって違うので、天然はちみつと偽物はちみつとの判断はつきにくいでしょう。

産地

天然はちみつの見分け方のひとつに産地があります。なお、ミツバチが花の蜜を採取しますが、蜜源植物も産地によって異なります。

スーパーなどで見かけるはちみつは、国産と外国産に分けられています。国内において生産量の多い地域で採蜜されたものはブランドネームの影響力もあり、天然はちみつを提供していることが多いです。

輸入量を大きく占めるのは中国産です。菜の花ベースの百花蜜、アカシアはちみつ、レンゲはちみつが主流です中国でも天然はちみつを瓶詰めしています。しかし、外国産のはちみつは輸出しなければならず、気圧や環境の変化にて品質が落ちないように、加熱・加糖されています。

もちろん、中国の養蜂園にて購入し、その場で頂くのなら天然はちみつです。しかし、輸出するとなると、非加熱では品質基準をクリアできないため、加熱・加糖されています。

製造工程による見分け方

はちみつは、遠心分離機などの機械を使います。製造工程においては、異物除去のために微細なフィルターに通すこともあります。瓶に詰める際、粘度を下げる目的で低温加熱することもあります。

しかし、はちみつの栄養成分は熱により壊れやすいため、温度管理には細心の注意を払いながら製造しなければなりません。本物の天然はちみつを購入したいのなら冒頭でも紹介したように「非加熱」と記載されているパッケージのラベルをチェックしましょう。

おわりに

安心安全、信頼できるのは老舗養蜂場が提供するはちみつです。しかし、加糖や加熱でも十分美味しく頂けるため、食べ比べしてみるのもおすすめです。